文字起こし:「新型コロナウイルス」(33) 児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー/ 村上世彰・一般財団法人村上財団創設者 2020.7.3
資料は文末にあります。

covid19禍の日本の科学
「空前絶後の衰退」(児玉龍彦)


(質疑応答時質問) PCRを無制限にやるのは反対ですか?

児玉龍彦氏:無制限、当たらない率が高いでしょ。中国みたいにできれば990万人全員やれれば一番いい簡単で…(悩みと、強い意志で会見の流れがここで変わる)

児玉)・・・なんで東大がしまっているのが問題かというと、結局さっきPCRが増えないという話がありましたが、これは日本の科学技術者が、コロナの値が起こった時に、文科省の指示によって、東京大学をはじめとして、全部閉じてしまった!

それで我々これを続けようとしたら…もう…(*注:とても長い沈黙)…
…あらゆる、なんていうんですかね、妨害の渦です。…閉じているんだから人を来させてはいけない、倫理委員会はできないから…やってはいけない…、外部の検体を入れてはいけない…

要するに日本の科学技術というのが、これだけ衰退しているのを見たのは私、空前絶後であります(児玉)

それで本来は科学者というのはこういう危機のときに、今までわからない時に、真っ先に立ち上がってこの道筋を考える、ですから勇気を持った存在のはずが…

全く逆に最初に閉じこもって、そして何も事故がなければよかった、という風になってしまってる…。

それでPCR検査例えば先端研だけでもフルにやれば1日数千件は簡単にできます。数万研までいくかもしれない。山中さんの再生研だったら、えっとCiRAだったら数万件簡単にできるはずですし、東京大学だったらもう全体合わせれば10万件ぐらいは簡単にできます。技術者もいます。生物学的安全施設もあります。
だけど病院以外は、全部閉じてしまってる!

これが結局一番問題でして、今我々がやるべきなのは、21世紀の科学技術で持ってこの細胞性免疫、液性免疫、自然免疫、という(注:多様な種類の免疫のシステム)ものがこの、口腔の粘膜のところで止まるものと、重症化という深部まで行ってしまうものが、どう起こっているか。(児玉)

(注:軽い感染であれば、喉鼻腔で免疫が対処され重篤化しにくい。だがcovid19禍で重症化する人は肺まで免疫を乗り越えて入ってしまう、それはなぜか)

「新型コロナウイルス」(33) 児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー/ 村上世彰・一般財団法人村上財団創設者 2020.7.3

実はSAASが起こってきたのは、先行する風邪コロナの免疫が、抗体依存性の増強性を起こしているかもしれない。
同じ場所で起こっていますよね。今度の新型コロナは、むしろその地域では死亡率重症率が低くて、それでそういう免疫がないところ、で、非常にたくさん起こっている。
ですから免疫学のレイヤーみたいなのが多くて、例えば風邪コロナの一部のコロナは消化官で入ったりしますし、ですから非常に若い年齢が、はっきり言って一歳くらい、の、ベロベロいろんなものを食べるような乳児のところで非常に感染りやすくて、その両親ところへかなり歴史的に感染ってきていている(児玉)。

児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー

それでこのコロナのウイルスが、2000年ごろ、2003年頃のSAAS、まあ2012年ごろのMARSや色々ずうっと進化してきていると。年をとっている年代ほど、違うコロナに免疫持っている。それから地域が離れているほど、違うコロナに免疫を持っている。だから中国においても沿海岸の方よりは内部の武漢でなぜこれが集中的にクラスター化した・・・。(児玉)

(注:これまでcovid19に似たコロナのファミリーに過去に罹患していた可能性の高い、中国沿海岸などの地域は今の所悪性化している人が少ないという謎について)

ただ一旦クラスター化してしまいますと、排出量の多い人がたくさん入ってまいりますから、そこでどんどん広まる、ですから一旦クラスター化するともう交差免疫なんて議論とは全く別に、先ほどの、だからインフルエンザと同じにしてはいけないのは、このウイルスがなまじ交差免疫みたいなADAみたいなものになる免疫を持ってたりして、重症化もしやすい基盤もありますから、一旦こう重症化しだすとどんどん悪循環になって、たくさん噴出する人がいて、たくさん感染する人が出て、たくさん重症化する人が出て、死亡率がぐーっと上がって言っていく、だからそういうサイクルにいれないために、やっぱり無症状の段階で徹底的に押さえこんでいくということが、すごく大事だと思います。(児玉)

(注:covid19禍の伝染を起こすには、ある程度のウイルスの曝露量の多い飛沫感染が危ない。すでに抗体を持っていたり、個人の免疫の力で発症、重症化しない人が、全く抗体を持っていない、免疫力が弱い人に感染ると一気に病状が憎悪する可能性がある。またウイルスによって、ワクチンや、似たファミリーのコロナの抗体を持っていたりする人がcovid19が感染って、重篤化する例がこれまで見受けられている)


陽性というデータがあった時に、僕らの今の技術の特徴はOMO(Online Merges with Offiline)というんですが、データだけを見るんではなしに、データと現実がフィードバックを持っていないと、データが役に立たない。大量に取って行こうとしたらば、学校、企業、施設、病院、こういうフィードバックがあるところで、その構成員を例えば老健施設だったら老健の内部の滞在者と従事者だけでなしに、掃除、食事、リネン、こういう出入りする人を全部含めて検査をして、そこで考えられるような仕組みがないと、大量検査をやってもうまくいかない。

そういうユニットごとにきちんと、ですから例えば春の検診みたいなもんで、抗体検査でもなんでもいいから、どの程度の率があるかをみていって、それが高いところは集中的にやっていく。

例えばソフトバンクの方とお話ししましたらば、その感染の起こったコールセンターやなんかで抗体の陽性率は3%ぐらいあった。もう3%もあったら500人くらいの人がいるところで、15人感染して5人ぐらい発熱したらば、大騒ぎになって建物封鎖になるような事態になるという。そういう率の感覚ですから。その数値を見てフィードバックがかかるところでないと、その上昇の意味が取れない。

だからこのユニット、いろんな社会の分散された機能を果たしている所ごとに、ここに入っている全員を見てやってくシステムを次々やろうという、ことで今ちょうど世田谷区でそういうの始めてましたら、こういう結果が出てきましたっていうふうに、大学病院で重症化する人いっぱい集めて決めたカットオフと、市中感染と言われる市内で起こったていることとはちょっと様相が違うんじゃないか、今そういう仕組みがすごく大事ではないかと思っています。(児玉)

(注:研究所でのcovid19の研究がしにくくなっているため、この児玉・村上チームらが率先して、様々な事業所、地域などに、積極的に検査に行くようにしてきた。HIV検査の経験などから、新宿や六本木の繁華街での検査協力体制もあって、数字的に「夜の街」が突出したが、職種的に多い可能性もあるが、そもそも積極検査で母数が多くなったのが大きい)

残念ながらぼく…西浦先生の数字はよくなかった。ああいう根拠のない数字を「40万人死にます」っていうの突然やるのは(村上世彰)

(質問者)社会経済活動との関連で、失業率が1%上がると

(村上)「3000人~4000人の方が自死する。内閣府で発表している。」

村上世彰・一般財団法人村上財団創設者

(質問者)自粛の影響が大きいとされているのですけども

(村上)数字だけいうとですとね、90年代の末に3万人まで行きました、自死者が。一時度下がってリーマンの時ちょっと上がりました、2万5千くらい戻して。そしてようやく去年初めて2万切りました。

これやっぱり僕、自死というのが国の幸福度にもつながると思いまして、この数字だけは僕は追っているのです。で、ああよかったな、ついに2万人切ったという。

だいたい遅れるのが、半年くらいずつ遅れて失業率が高まっていくというデータ特性がありますんで気をつけないと。失業率は必ず上がります、一挙に倍くらいの失業率になるんじゃないかと思うんで、どういう対策を打つといいのか。

でもどこをどこまで、えー閉鎖することがトータルとしていいのかという、常にそういう選択をして頂かないと。…残念ながらぼく、西浦先生の数字はよくなかった。

ああいう根拠のない数字を40万人死にます、っていうの突然やるのは、結構僕も、・・・あれを見ててショックだったと思うんで、きちんとしたエビデンシーに基づいて、数字を言って。だから、こうするんだ、ということを常に考えて

いただかなきゃいけないんじゃないのかな、っていうふうに思います。(村上)


僕は前提が間違っていたと思うんです。あれはヨーロッパの前提をとってるんで、もうあの時期に日本の前提が違ったわけですから、あの時期に本当にああいう発言をされたことが、この国にとって…。

先生は一生懸命やられていると思います。この国にとって本当に良かったのか、明らかに前提が間違っていたから、40万人という数字が出たわけですから。例えば一体感染者数はと、僕がものすごい興味を持った。

じゃあどうしてあれだけの方が感染して、どれだけの方が亡くなっているという(注:詳細を追いかける)データミスがあったし、国によってデータが違った。場合によっては沿岸部による抗体のことなのかわかりませんが、日本ではそういう意味ではかかる人はどうも少なかったというのが、多分違った。これ先生にも聞いてみてください、この議論は大分したんで。

ということを含めて、きちんとした数字に基いた議論をして欲しかったな。もうちょっとこれは2ヶ月前に戻っちゃうから今言っても仕方ないんですが、それがすごく重要だから、児玉先生の所をサポートして正確な数字を知りたいと思っております。(村上)


(児玉龍彦)やっぱり必要なのは、本当のこのコロナウイルスに勝つためには、広範な科学者、技術者が、力を結集しないと行けない、そちらをもとに大規模な検査だとかそういうものもどんどん進めながら。

だけど感染していない人と感染してない人が距離をとっても、感染予防には全く役に立たない。この明確な事実を全く誰も言わないで。

それともう一つはですね、病院の重症の人のICUと今、市中で起こっている感染を見ますと、私空気の飛沫っていう問題がちょっと違った格好になっていて。飛沫がかかるとしたら、比較的少ないウイルス量が唾液に出るとしたら、食事、にかかってるもんじゃないかと。
最初起こっているのは、便にかなり、消化管にもこのウイルス感染して、消化管でウイルスいっぱい増えています。

例えば国内の医院で院内感染起こしている人、かなり消化器症状強く応答しているものが多い。そう言う人のものが例えばドアノブなんかついたら、一回で10人くらい簡単に感染が起こるのではないか。

ですからこの消化器症状を介する接触感染。武漢の例でも靴の裏から、お手洗いからの、まあ感染の広がりというのは非常に注目されていますし、そういう意味でのもっとあの食べ物と接触に関する注意というのを徹底して、般的な飛沫三密、要するに寒冷地のインフルエンザの経験での三密というだけに頼りすぎる危険が、夏場むしろすごくあるんじゃないかと。それで夏の今感染を抑えていくことが鍵だとしたら、冬の三密対策とちょっと違う、食事、接触、お手洗い、こういうものに対する注意というのをもっと徹底する必要があるんでないかと思っています。(児玉)

児玉龍彦・東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクト プロジェクト リーダー

それでその辺の免疫に対する理解の研究と同時に、疫学的な理解をもっとこの科学的な格好でやる必要があるんじゃないかと。少なくとも、歌舞伎町や、池袋の繁華街は、区域全体の全員検査という、一刻も早くやるべきですし、それをやるだけの能力というのはすでに、日本の大学や研究所はいっぱい持っています。

両立(*医療と経済)というのは全く可能だと思ってますし、今の「無駄の選択肢」だけあげている専門家会議というのは、全く意味がないと思っています。

それから、政府のところの問題で一番私、日本の問題で大きいのは、若い世代や科学者がチャレンジすることに否定することが、ずうううっと行われています。
それでやっぱりあの専門家会議やなんかで、いつも私もいくつかの審議会なんか出ますけれども、行政官を入れてはダメです!!!! 行政官は何かやったら「無謬主義」ですから。
専門意見というのは、一番難しいのは、必ず最初は少数意見です。少数の意見から始まって、検証を通じて多数を作るのが、専門家の議論ですから、行政官を排除して専門家の会議をやらないと行けない。

行政官に忖度すると「議事録のない専門家会議」に。
専門家会議として意味がないです。専門家というのはむしろ公開していただいて、厳しい批判を受けないと行けない

少数意見で間違いがあるかもしれない、そこのリスクをとって、挑戦していくということがないということ、若い人にそういうチャンスを与えていないことが、

日本の科学技術の最大の失敗だと思っています。

(児玉)


Think Different Tank メモ
接触」だけが変数とされた西浦数理モデルは余りにも旧世代型で、余りにも単純化しすぎていて、covid19禍を知ろうにも、予防しようにも打つ手がなかった。

 ただただ8割の行動の削減である。covid19禍の影響で持病の悪化や、経済の悪化では連鎖倒産や経済破綻を理由にした自死の増加も想像がつく。
旧植民地型感染症対策と、近代社会型感染症対策は全く対処が異なる。東京のような1300万人大都市で、世界とのネットワークを断ち切れない社会を生かしたまま感染症対策を成功させるには、最新の科学を生かすのが自然だ。
 昨今の疫学変数はもはや1万を超えるとも言われ、いづれにせよ変数が「1」は数理モデルとしても、現代の感染症に対処するシミュレーションとして参照するのは危険すぎる。

 歴史的な失敗と言えるクルーズ船の対処に始まり、現在都内だけで日々200人以上の感染者の発見される状況ながら、検査数の少ないままの日本の今回のcovid19禍対策は、もはや謎とも言えるほど、基本的な問題が大きすぎる。T.D.T.としても、日本記者クラブの記者会見として両氏が明言した事の重さを受け止め、非常に重要な記者会見・児玉医師と、村上財団(旧村上ファンド)の村上世彰氏の活動と意見を一部文字起こしをして紹介する。(T.D.T.)

児玉龍彦氏 資料

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